マンスリーレポート
ポスターセッションも充実! “臨床・基礎・社会” の分野を越えた、
グローバルで刺激的な交流の好機を目指して
「HIVに関わるすべてのコミュニティをエンパワー、感染症による人々の分断を終結」をテーマに掲げている第38回日本エイズ学会学術集会・総会。
本学術集会では、市民主導のHIV対策を進めるリーダー達を海外からお招きしたり、“臨床・基礎・社会”の分野を越えて交流できる、ポスター形式での演題発表の充実を図ったりするなど、刺激的かつ有意義な交流の好機につながるプログラムを準備しています。
実行委員長と国際領域の部門長に、本学術集会の見どころと、ポスターセッションの内容について聞きました。
国際
国境を越えた連帯 -市民主導の理念を共有-
HIV対策のあらゆる場面において、国境を越えた連帯が必要です。
日本エイズ学会は昨年、国際連携委員会を設置して海外の様々な団体との連携を強化しています。本会では、海外から市民主導のHIV対策を進めるリーダー達をお招きし、その成功の要因や課題をお話しいただく予定です。
HIV対策に関わるすべての方が勇気づけられ、日本の対策を進化・強化させるきっかけとなるようなるような企画をお届けします。
国際医療福祉大学
教授
田沼 順子
実行委員長
交流の機会を準備しています
ご参加いただくみなさまにとって、新たなコミュニティとのつながりを通してエンパワーメントを実感できる学術集会となるよう、刺激的かつ有意義な交流の機会を準備しております。
開催に向けて多くの協賛企業にご協力をいただいておりますこと、この場を借りて、敬意と感謝の意を表します。実行委員一同、みなさまのご参加を心よりお待ちしております。
山梨県立大学
看護学部 准教授
本間 隆之
TOPICS 1
“臨床・基礎・社会”の分野を越えて交流できる、ポスター形式での「一般演題」を募集します!
第38回日本エイズ学会学術集会・総会は、「HIVに関わるすべてのコミュニティをエンパワー、感染症による人々の分断を終結」をテーマに掲げています。
そこで、私たち実行委員会ではこのテーマを実現するために、今回、参加者が“臨床・基礎・社会”の分野を越えて交流し、研究や活動を発展させることができるポスター会場作りを検討しています。
会場は交流しやすい雰囲気をつくるための工夫がされたレイアウトとなり、参加者が自由に歩き回り、興味のあるポスターに立ち寄り、多分野の参加者と意見を交わしやすい環境を整えます。また、交流や休憩に使える椅子を近くに配置したいと考えています。
【ポスター発表のいいところ】
じっくりと時間をかけて内容を理解して、必要な質問やコメントをゆったりとできる良さがあります。近年は口演が主流となっていますが、研究発表や実践活動報告など多くのポスター演題を募集することで、人々をつないで交流を促すポスターセッションを実現させたいと考えています。
【多くの優秀演題賞をご用意】
本学術集会では今年、たくさんの「優秀演題賞」をご用意しています!
詳細は今後のマンスリーレポートなどで発表しますので、是非ご覧ください。
また、「一般演題」の募集は、5月15日(水)から始まります。
プロトコール報告や活動報告などもふくめ、幅広く募集しますので、多くの学会員のみなさまのポスター形式での発表登録をお待ちしています!
TOPICS 2
X(旧Twitter)公式アカウントでも最新情報を発信中!
X(旧Twitter)公式アカウント「第38回日本エイズ学会学術集会・総会(@aids_38)」でも、学会の進捗状況に関する情報などを発信中です。
5月15日(水)から募集開始となる「一般演題」の最新情報など、ぜひ公式Xをフォローしてゲットしてください!
よろしければこの情報を多くの方に共有いただければ幸いです。
>>第38回日本エイズ学会学術集・総会のX(旧Twitter)公式アカウント
@aids_38
>>第38回日本エイズ学会学術集・総会のウェブサイトは下URLからアクセスいただけます。
https://www.aids38.jp/
“臨床・基礎・社会” 3領域のリーダーが期待する
コミュニティ主導の「第38回日本エイズ学会学術集会・総会」とは
2024年11月28日(木)から30日(土)まで、東京都新宿区・京王プラザホテルにて開催する、「第38回日本エイズ学会学術集会・総会」(以下:本学術集会・総会)。
本学術集会・総会は、日本のHIV/AIDS対策において重要な役割を担う「臨床・基礎・社会」と、グローバル社会において欠かすことのできない「国際」の4領域から成り立っています。
「マンスリーレポート」のスタート号では、まず「臨床・基礎・社会」各領域の部門長の方々に、「第38回日本エイズ学会学術集会・総会」へ期待することを聞きました。
社会
次世代・当事者コミュニティがリーダーシップを取れる機会
HIV感染症パンデミックが国内外の保健医療政策に与えた影響は計り知れません。Community-led(コミュニティ主導)であることの重要性が声高に叫ばれるようになりましたが、HIV流行の始まりから常に政策を動かしてきた最重要セクターが当事者コミュニティであることは、誰も疑いようがないでしょう。
多くの偉大な先輩の背中を追い、このイシューに取り組んできた次世代・コミュニティが奮い立ちリーダーシップを取れる機会となるように頑張ります。
名古屋市立大学大学院
看護学研究科 教授
金子 典代
臨床
新しい時代のHIV診療について語り合う学会にしたい
私は内科医としてHIV診療の現場で20年近く勤務してきました。HIVを巡る状況は近年大きく変化していると感じています。
これまで、研究者・医療従事者・コミュニティのさまざまな人たちが協力し、多くの新しい取り組みが行われてきました。
2030 年の AIDS終結を目標に、世界はさらに新しい時代に進んでいます。先輩方の業績を受け継ぎ、新しい時代のHIV診療について語り合う学会にしたいと思っています。
東京医科大学病院
臨床検査医学科 臨床講師
村松 崇
基礎
2024年に、抗HIV療法における初の持効性注射剤が治療に追加。
基礎研究のさらなる加速に期待
1981年に最初の症例が報告されてから43年後の2024年。継続した基礎研究の成果として、抗HIV療法における初の持効性注射剤が治療に追加されるところまでこぎ着けています。
引き続き、本感染症の終結を目指すためには、ワクチンの実用化および治癒を含めた、よりいっそうの基礎研究の推進が重要となります。
本大会では社会・臨床・国際のパワーも頂き、2020年代の基礎研究のさらなる加速を期待しています。
国立感染症研究所
エイズ研究センター 室長
原田 恵嘉
TOPICS
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X(旧Twitter)公式アカウント「第38回日本エイズ学会学術集会・総会(@aids_38)」でも、学会の進捗状況に関する情報などを発信中です。
5月15日(水)から募集開始となる「一般演題」の最新情報など、ぜひ公式Xをフォローしてゲットしてください!
よろしければこの情報を多くの方に共有いただければ幸いです。
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>>第38回日本エイズ学会学術集・総会のウェブサイトはこちら
https://www.aids38.jp/
⼀般演題の募集を開始いたします
⼀般演題の募集期間は5⽉15⽇(⽔)から6⽉27⽇(⽊)です。
こちらもふるって投稿準備をお願いいたします。
第38回⽇本エイズ学会学術集会・総会
11⽉に東京・新宿で開催 会⻑岩橋よりご挨拶
−コミュニティ主導のアプローチで、各分野の学会員による”直接の対話”を実現−
第 38 回⽇本エイズ学会学術集会・総会を、2024年11⽉28⽇(⽊)から30⽇(⼟)まで、東京都新宿区・京王プラザホテルにて開催することとなり、その⼤会⻑を拝命いたしました。
特定非営利活動法人
akta理事長
岩橋 恒太
⽇本の HIV/AIDS 対策において重要な役割を担う臨床・基礎・社会の3領域の中で、今回は7年ぶりに「社会」領域の NPO 法⼈の代表者である岩橋が⼤会⻑を務めさせていただくことになります(また、歴代の最年少の⼤会⻑でもあります)。
新宿は、アジア最⼤級ともいわれる LGBTQ+タウンである新宿⼆丁⽬をはじめキーポピュレーションが集う街があり、⽇本の HIV/AIDS 対策において重要な役割を担う臨床・基礎・社会の機関や団体が⽴地しています。そうした新宿で、学術集会を開催できることに期待を寄せています。
差別・偏⾒、発症者、新規感染者「0(ゼロ)」
世界的にも、⽇本でも 2030 年までに公衆衛⽣上の危機としての AIDS の終結が叫ばれています。私たちはその実現に向け、「AIDS 関連の差別・偏⾒ゼロ」「AIDS 発症者をゼロ」「HIV 新規感染者をゼロ」という3つのゼロの⽬標に基づいた対策を進めています。
そして、近年では U=U、多様な検査機会、HIV PrEPなど、様々な複合予防のツールが⽇本でも揃いつつあります。
これらのツールを効果的に活⽤し、必要な⼈々に適切なコミュニケーションやサービスを提供するためには、コミュニティのニーズを最もよく知るコミュニティ⾃体が活躍する、UNAIDS が提唱する「コミュニティ主導アプローチ」が必要です。そしてこのアプローチが成功するためには、障壁を取り除き、コミュニティのエンパワメントが不可⽋です。
「感染症の時代」だからこそ
各分野の学会員による”直接の対話”が重要
また現在は「感染症の時代」と⾔われ、Covid-19 やMpox などさまざまな感染症が広がっています。また、HIV/AIDS に⾒られる差別や偏⾒も依然として社会の中に存在しています。
そうした状況において、HIV/AIDS 対策から⽣み出された「Living Together」の思想は、感染症による⼈々の分断を終結させ、他の感染症対策にも適⽤できる重要なものであると考えます。何よりも、AIDS の流⾏終結は HIV 陽性者が⾝体的・精神的・社会的に健康で豊かな⽣活を送ることができる社会の実現に資するものであるべきです。
2020 年の Covid-19 の世界的な流⾏以降、⽇本エイズ学会の会⻑は学術集会の開催⽅法について⼤変苦⼼されてきました。各分野の学会員が集い、直接の対話を⾏うことが重要だと考えます。そのため、今回の学会ではできるだけ対⾯形式を多く取り⼊れ、シンポジウムや⼀般演題を通じてキーポピュレーションの⼈々をはじめ、多くの⽅々に参加いただきたいと考えています。登壇者をエンパワメントしたり、⼀般市⺠を巻き込むための仕掛けづくりも準備しております。
さらに、若⼿を学術集会の会⻑に選んでいただいたことに応え、本学術集会を⽇本エイズ学会のコミュニティを若⼿につなぎ、⼀層の活性化の契機としたいと思っています。各分野からの若⼿の学会員の積極的な参加と活躍を期待しています。
TOPICS
⼀般演題の募集を開始いたします
⼀般演題の募集期間は5⽉15⽇(⽔)から6⽉27⽇(⽊)です。こちらもふるって投稿準備をお願いいたします。
ウェブサイトが完成しました!
「 AIDS 関 連 の 差 別 ・ 偏 ⾒ 」「AIDS 発症者」「HIV 新規感染者」に対する3つの⽬標である「0(ゼロ)」をテーマに、「HIV に関わるすべてのコミュニティのエンパワー」と「感染症による⼈々の分断の終結」の願いを込めました。
⾵景には、会場である京王プラザホテルから⾒た新宿が描かれています。
▶URL はこちら https://www.aids38.jp